粉瘤の症状と治療方法は?粉瘤に触らない方が良い理由などを徹底解説

2018.09.15

粉瘤

皆さんは粉瘤(ふんりゅう)と呼ばれる皮膚に出来る腫瘍をご存じですか?

表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)、アテローマ、アテロームとも呼ばれていて、皮膚の良性腫瘍の一つです。

顔だけでなく頭や顔、首、耳、背中、胸、おしり、手足など体のあらゆる部位に出来る厄介な腫瘍です。

粉瘤が出来たら触らない方が良いとよく言われていますが、どうして触らない方が良いのでしょうか?

今回は、粉瘤の症状から治療方法まで粉瘤の全てについて詳しく紹介します。

粉瘤はどんな症状が出てくるの?

粉瘤 医者

一般的に皮膚の上皮に出来る疾患と言えばニキビや脂肪種、悪性リンパ腫、皮膚がん毛母種などですよね。

皮膚の表面にしこりが出来て気になったので皮膚科に行ったらただのニキビだったという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

粉瘤(ふんりゅう)は皮膚の毛穴部分が何らかの原因で内側にめくれて袋状になっていまい、その中に角質や皮脂、垢といった肌から出る老廃物が溜まる病気です。

そのため毛穴に溜まった老廃物によって皮膚が膨らんできたり(しこり)、ドーム状になっている表皮の真ん中部分に黒っぽい皮膚開口部が見られます。

この中央にある皮膚開口部はへそとも呼ばれていて、しこりを強く押すと毛穴の中に出来た構造物に溜まったものがドロっと出てくる事があります。

粉瘤の大きさ

粉瘤の大きさは患者さんによってばらつきがあって、大きさは数mmのものから10㎝以上になる巨大なものまで様々です。

粉瘤は老廃物が溜まった分だけ成長しますので、大きくなること自体は不思議なことではありません。

大体の患者さんは1㎝を超えたあたりで病院を受診して専門の医師に相談することが多いです。

今自分の粉瘤がどれくらいになっているのか気になる方はドームの大きさを定規で測ってみてください。

粉瘤は皮膚の下に袋が形成されているので、見た目の大きさよりも若干大きくなります。

粉瘤は潰さないで!

粉瘤が出来るとどうしても弄ってしまう人がいます。

粉瘤には皮膚開口部がありますので、粉瘤を強く押すとドロッとした膿のようなものが出てきて粉瘤独特のしこりが消えます。

これで治った!と勘違いする方がいますが、老廃物が一時的に出ただけで粉瘤が治ったわけではありません。

粉瘤は毛穴が袋状になってそこへ老廃物が溜まる病気なので、一時的に症状が出なくなったからといって粉瘤が治ったことにはなりません。

さらに正常な粉瘤を潰してしまう事で症状を悪化させてしまう事があるのです。

治りにくいだけでなく炎症性粉瘤を招く危険性もあります。

粉瘤は良性の腫瘍ですが、粉瘤を潰してしまうと炎症を起こしてしまう危険性が高まります。

粉瘤が気になっている方も粉瘤は触らないようにしましょう。

炎症性粉瘤について

粉瘤

粉瘤の症状はドーム状に皮膚が膨らむ、ドームのてっぺんに黒い皮膚開口部が出来る、触ると弾力があるといったものになります。

ただの粉瘤であれば見た目が気になったり、触ったときに気になる程度ですが、中には炎症を起こしてしまう粉瘤があります。

粉瘤の内部は清潔な状態に保たれているとは言い難く、粉瘤を潰すことで炎症を起こしてしまいます

粉瘤が圧迫されて袋が破裂すると内容物である角質や皮脂といったゴミが皮膚内に散らばり、それによって炎症反応が起こるのです。

これは米国の研究機関が発表したもので、現在の医学会ではこの説が定説とされています。

炎症が発生すると痛みが伴う出血を引き起こすので炎症を起こして病院を受診する方とても多いのです。

そのまま放置していると外傷が傷跡として残ってしまい、現在の医療では完全に消せなくなってしまいます。

炎症性粉瘤を予防するためには粉瘤を弄らないことが一番なのです。

細菌感染の可能性は低い

今までの炎症性粉瘤は粉瘤の中に細菌が侵入したため炎症が起こっていると考えられていました。

細菌感染によって炎症が起こる可能性は0ではありませんが、可能性はかなり低いというのが現在の認識です。

潰したことによる炎症反応が全体の9割を占めていて、細菌感染による炎症はわずか1割に過ぎないのです。

2017年に発見されたため、認知をしている医師もそれほど多くは無く、従来の方法と同じ抗生物質の処方と経過観察を行う医師もいます。

しかしその人が粉瘤を潰している場合は抗生物質の効果はありませんので全く持って無駄なことです。

炎症性粉瘤の症状

粉瘤が炎症を起こすと赤く腫れあがって痛みを伴います

化膿がヒドイ場合は膿が粉瘤内にたまってしまい、膿瘍(のうよう)と呼ばれる状態になります。

炎症が進むと膿瘍が柔らかくなり、少し圧迫したり刺激を与えただけで膿が出てくるようになってしまいます。

膿が出ることによって小さな開口部もただれて広がってしまい、酷い臭いのする膿や袋に溜まっている内容物が漏れ出てきます。

さらに血管が傷つくことで最終的には出血も見られるようになってしまいます。

自然に海が排出されるまでになってしまった状態は皮膚を切開して膿を出す手術を行い、そのあとに粉瘤の摘出手術を行います。

粉瘤の治療方法

粉瘤 診断

ニキビかと思ってたけど粉瘤かも!という人のために粉瘤の治療方法についてもご紹介します!

粉瘤は毛穴の中に袋状の構造物が出来る病気なので、この袋を切除しなければ完治はしません

炎症性粉瘤でもお分かりのようにニキビのように自分で潰すことは何の解決にもならないどころか症状を悪化させる原因になります。

投薬による治療でも治すことはできませんので、外科手術によって摘出しなければいけません。

粉瘤が潰れて傷んでいる場合はすぐに手術を行う事が出来ず、ある程度の回復を待ってからになります。

これは粉瘤をしっかりと摘出することが難しく、皮膚を切開したにも関わらず皮膚内に袋が残ってしまうリスクがあるためです。

嚢胞の壁が破れやすい状態では炎症を落ち着かせる必要があるため、日ごろから粉瘤が気になっているという方も触らないようにしてください。

粉瘤の手術方法について

粉瘤 手術

粉瘤は手術によって摘出しますが、手術方法に関しては様々な種類があります。

手術中の痛みを心配される方がいますが、手術の時にしっかりと局所麻酔を効かせるので心配はありません。

また、痛みを感じるようでしたら麻酔の量を調整してもらうことも可能です。

よく粉瘤の手術で使われる手法を見ていきましょう。

小切開摘出術

傷跡を最小限に抑える摘出術で、一度も炎症を起こしたことがないしっかりとした袋を持っている方向けです。

粉瘤の大きさによって切開する大きさは異なりますが、1㎝程度の大きさであれば5mmほどの傷跡に抑えられます

周囲を剥離しながら引っ張りだすので技術力のある医師であれば大体20分程度の手術時間で終わります。

傷跡を最小限に抑えられるため、美容整形クリニックでも良く使われています。

くり抜き法・へそ抜き法

くり抜き法・へそ抜き法はディスポーザブルパンチと呼ばれる丸い穴を開けられるメスを使用した手術方法です。

粉瘤にディスポーザブルパンチで穴を開けて内容物・膿が周辺へ飛び散らないようにきれいに吸い取ります。

そしてしぼんだ所でのう胞の壁を切り取るという方法です。

大きな粉瘤でもキズを小さくすることが可能ですが、取り残しのリスクや炎症を起こす可能性があるため熟練した技術が必要となります。

完全に摘出することが難しいため多くの病院では希望された患者さんにしか施行しないことが殆どです。

事前に超音波検査で粉瘤の壁がしっかりとしているのか、炎症を起こしていないかなど入念な準備が必要となります。

決して簡単に行える手術ではないのでそこだけは覚えておきましょう。

紡錘形切開術

昔からある摘出方法で簡単・確実に完全摘出が可能ですが、傷跡が大きくなってしまうというデメリットがあります。

しかし完全に粉瘤を取り除く事が可能なので再発のリスクが殆どなく、大きな粉瘤に対しても非常に有効な手術方法となっています。

傷跡が大きくなりますので縫合をしますが、だいたい2週間程度でしっかりと癒着して抜糸と言う流れになります。

紡錘形に切開をしますが、縫い合わせることで一つの直線になりますので傷跡自体はそれほど目立ちません。

ご自身の粉瘤の大きさや炎症の有無など様々な要因を踏まえた上で医師が最善な方法を選択してくれますのでお任せしましょう。

どうしても美容面が気になるという方は美容整形外科や粉瘤の手術を専門に扱っている病院を受診しましょう。

病院選びのポイント

粉瘤 病院

手術をするにあたって必ずしなければいけないのが病院選びです。

もちろん信頼できる病院があれば良いのですが、初めての摘出手術で病院を探しているという方も多いはずです。

体にメスを入れて手術を行うわけですから、しっかりと信頼のできる先生にお任せしたいものですよね。

病院のウェブサイトや口コミなどを見て決める方が多いですが、そういった際に見るべきポイントについても見ていきましょう。

手術で失敗しないためにもぜひ参考にして病院選びに役立ててみてくださいね。

健康保険適用の有無

粉瘤手術は基本的に保険が適用されますが中には自由診療をしている病院があります。

美容整形外科では基本的に自由診療となり、全額を患者さんが負担することになります。

保険が適用されれば大体4000円~15000円程度で手術を受けられます。

あくまでも一般的な目安であり、ご自身の粉瘤の大きさや手術方法、手術を受ける病院の金額設定などによって大幅に増減しますのでご注意ください。

料金に関しては担当医師が実際に見てないと分からないので、病院に問い合わせを行っても大体の金額しか教えてくれません。

金額を安く抑えたいという方は必ず保険が適用されるのかどうかをみてください。

傷跡が残るのが嫌だという女性の方は自由診療となりますが、美容整形外科で手術を受けるのをおすすめします。

殆どの美容整形外科は無料のカウンセリングを設けていますので、手術について不安に思うことや手術料金などについて聞いてみるのも良いでしょう。

誰が手術を行うか

粉瘤手術はお分かりかと思いますが、傷跡を最小限にとどめて皮膚の中に残さないようにするには熟練の技術が必要になります。

当然経験豊富な医師にお任せしたいものですが、病院によっては経験の浅い医師が一番簡単な紡錘形切開術を選択することもあります。

個人病院であれば院長先生自ら手術を行ってくれるので、そういった点では選びやすいかと思います。

現在は執刀医を患者さんが選択できる病院も増えていますので、誰が手術を行ってくれるのかしっかりと選ぶことが重要です。

病院のホームページなどに詳細な手術実績や症例写真等の情報を載せている皮膚科・形成外科を利用してみるのがおすすめです。

医療機関によっては診療科目一覧に記載している場合もあります。

当日手術・日帰りが可能かどうか

基本的に粉瘤手術は入院の必要がない手術ですので日帰り手術が基本となっています。

炎症性粉瘤の場合はすぐにでも手術をした方が良い場合もあるので、当日に手術が出来るかどうかも病院選びのポイントになります。

当日手術が可能な病院がおすすめですが、その時の予約状況によっては手術を行えないことも考えられます。

急いで手術をする必要のない方は問題ありませんが、痛みが激しくてすぐにでも手術を行いたいという方は当日手術を行っている病院を選びましょう。

当日手術を行っている病院は手際よく手術を行ってくれるので手術時間も短く、体に負担がかかることも少なくなっています。

此方のポイントも病院選びの際に加味してみて下さいね。

手術後の基本的な流れ

粉瘤 手術

手術前に説明されますが、不安に思われる方も多いので手術後の基本的な流れをご説明します。

診察時に実際に粉瘤であると診断されればその後はこぶを取るための手術となりますよね。

手術は当然メスを使った切開手術となり、縫合をしたりガーゼを詰めるなどの処置を行います。

袋の組織を残さず摘出するとそこの部分だけ空洞になりますので、細胞が癒着するまでの間は細菌が侵入しやすくなっていますので基本的に濡らさないように生活します。

大体2週間もすれば縫合した部分がくっつきますので、抜糸を行って経過観察となります。

手術を行った箇所は陥没したようになりますが、半年から1年くらいの時間をかけてゆっくりと元の状態に戻ります。

完全に戻らない人もいますが、手術痕をよく見ないと分からないくらいまでになります。

ニキビと比べて知る粉瘤の特徴

粉瘤

顔に粉瘤っぽいものが出来ているけどニキビかも?という方はいませんか?

病院に行くのは恥ずかしいけど粉瘤だったら大変ですよね。

ニキビであれば自宅でも出来る簡単なケアで回復しますが、粉瘤は治療方法が手術での摘出しかないため、病院へ行くしかありません

ニキビと粉瘤の違いを比較して、自分の身体に出来ている物がニキビなのか粉瘤なのか見極めましょう。

臭い

粉瘤の内容物には臭いがあります。

特に炎症を起こして膿が出ている場合はキツイ鼻に付く臭いがします。

一方ニキビの場合は全く臭いがせず、臭いが気になるなんてことはまずありません。

そのため膿が出ていて臭いが気になるという方は粉瘤である可能性が非常に高いと言えるのです。

潰してしまう前にまずは病院へ行きましょう。

比較的新しい粉瘤の場合は臭いがしないこともありますので、無臭だからといってニキビであると決めつけるのは早いです。

大きさ

ニキビは大きくても1㎝以下ですが、粉瘤は大きい物であれば10cm以上に成長します。

数ミリのものであれば混同しがちですが、明らかに1㎝以上のできものがある場合はニキビではなく粉瘤です。

ミリ単位の大きさで臭いがしない場合はニキビの可能性が高くなります

そして粉瘤になると摘まめるくらいの塊が皮膚の中に埋まっているのがわかります。

しかしニキビは表皮に出来るため、摘まむことはできません。

粉瘤は目に見える大きさよりも大きく、ニキビは目に見える大きさ通りであると覚えておきましょう。

開口部

ニキビが出来ると黄色いプチっとしたものが膨らんでいますよね。

人によってはそれが赤くなっていたり黒くなっていたりします。

一方粉瘤の場合は皮膚がドーム状に膨らみ、その頂点部分に黒い開口部が現れます

開口部はニキビにはない特徴なので、写真で実物を見れば自分の出来物を一目見れば開口部の有無がわかるかと思います。

開口部があればそれは粉瘤ですので、成長する前に摘出することをおすすめします。

まとめ

いかがでしたか?

今回は、粉瘤の症状から治療方法まで粉瘤の全てを紹介してきました。

粉瘤は誰にでも起こるもので、自然に治癒することはない厄介な病気です。

良性の腫瘍ですが、放置すると出来物がどんどん大きくなるだけでなく見た目も悪くなってその人を苦しめてしまいます。

治すには費用の掛かる手術しか方法がなく、薬による治療方法は確立されていないのが現状です。

小さいうちに手術をすれば傷跡も目立たずきれいに摘出できますので、もしニキビではなく粉瘤かもと思ったらお近くの皮膚科を訪れてみてください。