痔の悩みには「乙字湯」が効果的!痛みの症状を完治させる理由を解説
2018.08.13
痔の悩みには乙字湯って聞いたことありませんか?
乙字湯は漢方薬なので体への負担や副作用も少なく安心して症状を和らげ、改善させる効果が期待できます。
このおしりの悩みを根本的に改善することができる乙字湯は痔だけでなく便秘の悩みを改善したい方にもおすすめです。
そこで今回は、痔を治す効果が期待できる「乙字湯」について詳しく紹介します。
乙字湯とは?
乙字湯(おつじとう)は、痔と便秘の両方を改善する漢方薬です。
服用することで血液循環を良くさせ、患部のうっ血を取り除くと同時に、痔による痛みや出血を抑える効果と便通も整える効果があります。
さらに、炎症を鎮めるので、「脱肛」や「いぼ痔(痔核)」などに対しても有効で、肛門周辺の筋肉を引き上げて正常な位置に戻す作用もあります。
乙字湯には、便秘をはじめとした、いぼ痔や皮膚が切れてしまう切れ痔などの様々な原因を改善させることができるので、男性はもちろんのこと、女性特有のおしりの悩みに対しても効果的なのです。
乙字湯の歴史
乙字湯は最近作られた漢方薬ではありません。
その歴史は江戸時代まで遡り、著名な医学者、原南陽(ハラナンヨウ)が、「ぢ疾」専門の漢方薬として処方したものが始まりでした。
その後、処方内容が改良されながら、より飲みやすく、より効果的になり、現在でも多くの方に愛され続けているのです。
乙字湯はこんな方におすすめ
お尻の悩みはいろいろとありますよね。
- 便秘がち…
- 排便のたびに出血が…
- 便が硬い…
- 出産後にお尻に違和感が…
など、このような症状に類似する全てに乙字湯は効果的です。
特に、便秘が続くと痔になりやすいタイプの方で、
「体力中等度以上で、大便がかたく、便秘傾向のあるもの」
このような方に乙字湯は改善の期待が高い漢方薬なのです。
乙字湯の効果・効能
乙字湯は、痔核(いぼ痔)、きれ痔、便秘、軽度の脱肛に効果的な漢方薬です。
「体力中等度以上」の方に向いた漢方薬なので、あまり体力に自信がないような方が服用すると下痢などの副作用が起こる可能性があります。
しかし、ある程度体力がある方には抜群の効果が期待できる処方です。
乙字湯は痔の原因から解消させる
「瘀血」ができる原因は、個人差があり、さまざまではありますが、一般的に冷えや便秘などが主な原因とされています。
漢方的に見ると、痔は滞ってしまった「血(けつ)」、肛門周辺の毛細血管がうっ血する「瘀血(おけつ)」が肛門にある状態と考えられています。
乙字湯を服用することで、血の巡りを良くさせて、うっ血を取り除くと同時に、傷の治りを早め、腫れを抑えることができます。
血の巡りを良くさせることで、筋肉の緊張を高めるので、中の痔が外に出てこないようにしたり、排便時の圧迫を和らげたり、痛みを抑える効果まで期待ができるのです。
塗り薬や坐薬ではダメなの?
痔に効く一般薬や医薬品として代表的なモノには、軟膏や坐薬もあります。
軟膏や坐薬も確かに効果的なのですが、その効果は、今起こっている痛みに対して作用するものです。
現在痛みがひどく我慢できないような方が使用することで、一時的に症状を緩和させ、その場の痛みが抑えることができるのでとても便利な薬ではあります。
痛みに悩まされるような方は常に持っているとありがたい存在ではあるのですが、これらを利用しても根本的に治療することは不可能です。
軟膏や坐薬は痔を完治させる薬ではないと言うことを覚えておきましょう。
乙字湯は体内から痔に効く薬
乙字湯は、飲んだらすぐに痔が改善するといった即効性は期待できませんが、身体の内側から作用させるので、痔の症状を根本的に解消させることができます。
一時的に痛みを改善させたいだけであれば、軟膏や坐薬で問題ありませんが、自分の体質を改善させて、痔が起こらない状態まで回復させたいのであれば、問題に直接アプローチし続ける漢方薬が効果的なのです。
一番有効的な使い方は、軟膏や坐薬と併用して乙字湯で体質改善をしていくのがおすすめです。
乙字湯が痔に効くのは6つ生薬の力
なぜ乙字湯はそこまで痔に効くのかと疑問に思いますよね。
それにはちゃんとした理由があります。
乙字湯は、6種類もの生薬を配合させた漢方薬で、生薬1つ1つに痔に効く理由があるのです。
乙字湯に配合されている生薬は、
- 当帰(トウキ)
- 柴胡(サイコ)
- 黄ゴン(オウゴン)
- 甘草(カンゾウ)
- 升麻(ショウマ)
- 大黄(ダイオウ)
これら生薬の効果・効能を詳しく見てみましょう。
当帰(トウキ)
当帰は、セリ科トウキ属植物の根を乾燥したものです。
国内では、和歌山県高野町富貴地区を中心に栽培が行われているもので、高さは60~90cm程になります。
夏から秋にかけて、白い小花をつける特徴のある植物で、セロリに似た香りを放ちます。
血の循環を活性化する作用を持ち、鎮痛、鎮静、強壮などの効能があります。
痔の症状以外にも、肩こり、腹痛、腰痛、月経痛、冷え性、貧血症、婦人の更年期障害などにも効果があります。
柴胡(サイコ)
柴胡は、セリ科のミシマサイコなどの根を乾燥したものです。
静岡県の三島付近に良質のものを産したことからこの名があるようで、オレンジ色のかわいらしい花を咲かせるのが特徴です。
解熱、鎮静、解毒などの効能があり、痔の症状以外にも、肝臓疾患およびそれに派生する病状の緩和を目的に用いられています。
黄ゴン(オウゴン)
黄ゴンは、シソ科コガネバナの根の周皮を除き、乾燥したものです。
中国東北部や朝鮮半島、モンゴル、東シベリアなどに生息する高さ30~60cmの多年草です。
細菌が出す毒素によって引き起こされる腸粘膜の炎症を修復する作用があり、肺の熱を取り去る作用もあります。
抗菌作用、解熱、利尿、抗アレルギー、解毒作用、肝機能の活性化などの効能があり、痔の症状以外にも、炎症性結膜炎、呼吸器感染、胃・腸炎、下痢などに効果があります。
甘草(カンゾウ)
甘草は、マメ科カンゾウ属植物の根や根茎を乾燥したものです。
中国、オーストラリアなどに多く存在し、高さ30~70cmの多年草で、6~7月頃に花をつけ、7~8月頃に実を付ける特徴があります。
ショ糖の150倍の甘さのあるグリチルリチン酸(加水分解物)が主な成分で、鎮痛、鎮痙(ちんけい)、解毒、鎮咳(ちんがい)などの効能があります。
痔の症状以外には、咽喉痛、胃痙攣、胃潰瘍、胃痛、十二指腸潰瘍などにも効果的です。
升麻(ショウマ)
升麻は、キンポウゲ科のサラシナショウマなどの根茎を乾燥したものです。
熱帯アジア、中国、日本などに多く存在し、乙字湯以外でも補中益気湯などの漢方薬にも使われています。
発汗作用、解毒作用などの効能があり、痔の症状以外には、身熱、頭痛、咽喉痛、感冒、麻疹、脱肛などに効果があります。
大黄(ダイオウ)
大黄は、タデ科のダイオウ属植物の根および根茎を乾燥したものです。
中国、日本などに生息し、高さが2~3mにも達する大型の多年草草本です。
紫紅色や黄白色の小花をつける特徴もあります。
腸内細菌の作用でレインアントロンに代謝され、瀉下作用を発現させます。
また、瀉下効作用があり、緩下(かんげ)、消炎、健胃および駆瘀血(くおけつ)などの効能があります。
痔の症状以外には、胸満(胸部の緊張)、常習便秘、腹痛、結腸炎、直腸炎、小便不利、月経不順、高血圧症などに効果があります。
乙字湯の副作用
乙字湯に限らず漢方薬には副作用があるので注意が必要です。
そのほとんどが、決められた含有量以上に摂取することであらわれ、症状には、発疹・発赤、かゆみ、吐き気・嘔吐、食欲不振、腹痛、腹痛を伴う下痢などがあります。
また、医師の診療が必要な、間質性肺炎、偽アルドステロン症、ミオパチー、肝機能障害などの重篤な症状が起こることもあります。
そのため、使用方法に関しては、医師や薬剤師、登録販売者の説明をしっかりと聞き、用法・用量を守って使うようにして下さい。
漢方薬は個人の体質に合わせて処方されるのでとても重要なことです。
他にも、高血圧、心臓病、腎臓病の診断を受けた人、医師の治療を受けている人、妊婦または妊娠していると思われる人、体の虚弱な人、高齢者なども服用前に医師や薬剤師に相談ししっかりと確認するようにして下さい。
まとめ
いかがでしたか?
今回の記事では、痔を治す効果が期待できる「乙字湯」について詳しく案内してきました。
乙字湯は、用法・用量守り使用することで痔を改善させるのに非常に効果的な漢方薬です。
第2類医薬品では、ツムラ漢方乙字湯エキス顆粒などの商品もあるのでお手軽な価格で買うこともできます。
からだの内側から症状に作用し改善させるので、本格的に痔を治療したい方におすすめです。
是非、このサイト、ページの情報を参考にし、症状改善に役立てて下さい。